伊澤 淳子　一日目

一日目のテーマ「引っ越してきたあなたと暮らしについて」　　　　　北斎「お前さんは、どんな活動をしているのかな？」　　　　　　　　　住宅などの建築設計を生業にしています。職人さんの技術を残したいとおもって、なるべく既製品によらない家づくりをしたいとおもっているのです。毎日たべても飽きない、おにぎりと味噌汁みたいな家みたいなのを作りたいと思っています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「墨田区に越して来る前はどのような暮らしをしてたのかい」　　　　　郊外の木造住宅で大家さんご夫妻が二階に住んでいて、その一階に住んでいました。 その頃から、電車通勤が苦手で、バイク通勤していました。遅くまで仕事して、事務所と家の往復している毎日でしたね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「ここで暮らしてみて不便に思ったことはあるかい？」　　　　　不便というかちょっとグチになっちゃうのですが、家の裏が駐車場で2階の窓からスカイツリーが見えて、日当たりが良くていいな、と思って借りたのですが、そこに3階建ての建売住宅が建って、窓を開けたら壁になっちゃいました。家が近いことで、裏の家の柔軟剤とかタバコの匂いはちょっと苦手。でも、料理上手が住んでいるらしい、ご飯の匂いはいつも美味しそう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「隣人との関係はどんな感じかな？」　　　　　　大家さん、斜向かいの若夫婦やお隣さん、まち工場の人とはちょっとした挨拶やら雑談をします。一人暮らしなので、いってらっしゃいとか、寒くなったね〜とか何気ない言葉を交わすのはちょっとほっとします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「隣人とのエピソードがあれば教えてくれ」　　　　　裏の駐車場や隣に建売住宅になった時など、建物に関する質問を受けますね。建物の位置が近かったり、建物が高かったりすると、「これ？いいの？（違法じゃないの？）って聞かれます。」今時の新築はだいたい、審査をうけているので問題はないです。行商のおばちゃんが隣の玄関先に座って野菜を売ってたんですが、隣が解体されたので、最近はうちの玄関先をつかってもらっています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「引っ越しにまつわる何か面白い話を聞かせてくれないかな？」　　　　　引っ越しして寝ようとしたら、おじさんの咳払いが聞こえてきて。びっくりです。長屋だって知らないで、借りてしまいました。大汗。屋根裏に誰か住んでるのか？と思いましたもの。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「家族にとって、ここはどういう場所だい？」　　　　　　「ホームグラウンド」とか「巣」みたいな。　　　外出がちになって、滞在時間が減ると、なんだか精神的なバランスが崩れてきますね。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「暮らしで一番大事なものは何かな？」　　　　　ものを大事に使うとか。食べ物を残さない、ゴミを減らすとか、使い切るとか、あるもので間に合わせるとか。