後藤大輝 1日目

京島長屋文化連絡会 後藤大輝

北斎「お前さんは、どんな活動をしているのかな?」     この町に住んでから名乗った肩書を書き出してみる。映画監督。映画作家。映像作家。映像催事製作者。催事製作者。BUNKAN運営人。空き家案内人。京島まちづくり協議会委員。京島長屋文化連絡会代表。東京都認定空き家コーディネーター。春日薬草店二代目。すみだ向島EXPO実行委員会代表。暇と梅爺株式会社代表取締役。他にもあったけど忘れてしまった。僕は、どんな活動をしているのか、、、自分では一貫して文化創造であり、ありえないと思ってしまう奇跡のような日常の具現化に向けて活動していると思う。                     北斎「墨田区に越して来る前はどのような暮らしをしてたのかい」      僕の名義で借りたシェアハウスに長年席はあったが。気質は根無草で移動の民。自分の場所は天の下ならどこでものように暮らしていた。                    北斎「ここで暮らしてみて良いと思ったことはなんだい?」     この町なら年老いてもいい。この町の爺さん婆さん、オヤジさんに憧れた。この町の日常には年を重ねる価値があると思った。                     北斎「ここで暮らしてみて不便に思ったことはあるかい?」     12年前、はじめて改装して住んだ長屋は、夏は凄まじく暑く、冬は滅法寒かった。春の訪れに心から感動した。季節の移り変わりが身に染みた。改装の工夫や技術を積んでいき、断熱と冷暖房のインフラを強化したら、暑い寒いの不便はなくなった。しかし、その頃から夏はハンモックで寝る習慣ができた。                     北斎「隣人との関係はどんな感じかな?」はじめの長屋では、裏の隣人に夕飯のおかずを貰い、旅の土産を貰い、路地園芸の葡萄を貰い、大工道具を借り、脚立を借り、洗濯物を拾ってもらい、色々な話を聞かせてもらうような付き合いをしていた。方や、僕も20代で若者が数人で暮らしていたので、会話をしていない少し距離のある近隣住人には変な噂で危険視されていた時代もあったと思う。                     北斎「隣人とのエピソードがあれば教えてくれ」     とにかく挨拶のできる隣人が多くいることが嬉しい。挨拶のバリエーションと自然な言い回し、自然な間合い、こんなに多様でユーモラスなやりとりと、ここに住んで初めて経験した。隣人エピソードは書ききれないけど、スーパーマンのような隣人が多い。普段は普通の人だか、台風なのど災害時には誰よりも素早く助けの欲しい人のとこへ駆けつけ、手助けから情報提供、声かけに奔走する隣人が何人もいる。                    北斎「引っ越しにまつわる何か面白い話を聞かせてくれないかな?」     向こう三軒両隣に挨拶する。この町には、連なった長屋が多くあり、同じ住所に4.5軒の家があることもあり、挨拶周りし出したら区切りをつけれなくなり30軒ほど回ったこともある。                    北斎「日々の暮らしの中で起きた何か面白い話を聞かせてくれないかな?」     この町に住んでから2年が経った頃、狐に抓まれた。と思った。ある日の早朝、徹夜のイベントから始発で帰宅する途中、いつもは人がまばらのキラキラ橘商店街に湯煙に群がり並ぶ長蛇の人。時空が歪んだとこに迷い込んだと錯覚した。大きな青いバケツに顔を突っこんでいるように見えてたそれは、出来立てホカホカの朧豆腐のバケツだった。これは月末に1日だけ開催される朝市だった。この朝市はAM6時に人が並らび、AM8時には解散するような、朝の遅い僕には幻のような朝市だった。                    北斎「家族にとって、ここはどういう場所だい?」     家族の認識がこの町に暮らして変わったと思う。爺さんや婆さんが増えて、兄さんも姉さんもできて、妹や弟も増えた。 僕の奥さんと娘もそうなっていくと思う。                    北斎「暮らしで一番大事なものは何かな?」     日々の変化にも安心できる日常

今日の質問のテーマ「引っ越してきたあなたと暮らしについて」

 
 

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